10/26は彼女の誕生日だ。
今まで、ずっと彼女のこの日には何もせず、ただトボけてみせた。
いつも、彼女がこの日を迎えた後、あたかも興味がなかったかのように、俺は『何ちゃいになったのかね?』とか言っていた。アノコも笑って●●チャイになったよ、と言っていた。
だが、聞こえない今だからこそ、やっと告げられる。
君が産まれてきてくれて良かった。俺と出会ってくれて良かった。
この通りのサイコパスだが、俺は君と出会えて、やっと人間になれた。ありがとう。さんQ。
これで俺は進むことができる。
君から離れて、俺はさんざん苦しんだ。だが、ふたつの物を手に入れた。
ひとつは、俺の人生の目的にどうしても欠けていた、金銭的な問題の解決。
もうひとつは、彼女と最後の時に話した、俺のお師匠さまの話。
あれを、俺もやってみようと思い立った。子供を残す気のない俺が、未来の子供へ託すことのできる、いま思い付くかぎりでは、最善の方法。
すべて、君のおかげだ。
君がいたからこそ、俺は俺の人生を手に入れることができる。手に入れてみせる。
誕生日、おめでとう。もしもまた、会える日が来るなら、ちゃんと顔を見て、笑顔で、これを伝えたい。
さようなら。幸せに。
君の未来に、光あれ。
20241026しるす。