ノト・ニャンタチャン


ノト君。リッカの弟。
人格者の身内はすべからく人格者として生まれるわけではない。かかる人物が世襲や高位につくとき、社会や組織は腐敗する……という思いから生まれたキャラ。
いくらなんでもドクズすぎた。ノトはおそらく、子供の頃から現在まで、数多くのドクズムーブをかましたはずだけれど、その間、姉のリッカは何もしなかったの? おかしくね? と、自分でも思う。うまく隠しおおせてきたんでしょう多分。
背が低いことがコンプレックス。ファノンとクリルを敵視している。世の中すべてを曲解しているから、世の中すべてを敵視している。

名前の由来は否定句のnotから。

『理想の世界』は三度作り直している。このノトは、割と初めのころから存在していた。作り直す前の小説では、リッカの代わりに、20歳で死ぬ世界を堅持しようとしていた。この時リッカはいなかったし。屑キャラなのは昔からそうではあるんだけど、当時のものでは、なにやらアンチテーゼみたいなものを並べて、ラスボス・エノハの直前くらいに立ちはだかる奴だった。完成版『理想の世界』の直前に作っていたバージョン(フォーハードは存在せず、超弦の力もなく、ファノンはエノハに知恵と勇気で立ち向かう感じの話)では、ラストの手前でモエクを殺してた気がする。昔のことなので忘れかけ。
でも今回作り直してみたら、フォーハードがいてアンチテーゼも悪事もぜんぶ彼が背負うから、とくにこのノトにえらっそうな事を言わせる必要もなくなった。
性格は屑のままだから、ウダウダと長生きさせるよりも、一回だけ、めちゃんこ悪いことをさせた後は、さっさと殺したほうが自分にも読者にも精神衛生上には良かろうと、なるべく早めに殺すことにした。

かつて孔子は『四十にして為さざれば、それ終わらんのみ』という言葉を残している。40歳で人格形成ができていない奴は、もう見込みはない、という意味。
でも俺から言わせれば、40歳どころか10歳で屑なら死ぬまで屑、という考えなんですわ。その考えを端的に表したキャラ。

以下は、デザインを担当してくださったmotto先生のラフ。どちらか選んでほしいというので、髪がオッ立ったほうを希望した。こちらも記念に残しておく。