理想の世界について

 ところで不思議なことだが……シロザケたちが大人になるまで泳いでいる大海には、いまも海に沈んだ放射性廃棄物が踊っているはずである。

 それなのに、その放射性廃棄物を吸い、食べているはずのサケが、そのサケを食べるクマや人、陸地に放射能被害を与えていないのだ。

 何十年前かの学者が言っていた仮説では、サケは自ら、巧みに放射能を避けながら遠遊するように、学習したのだろう、というが、検証された話でもないので、何とも裏打ちのできないことである。

 セントデルタが放射能被害を免れているのは、その仮説によるかは不明だが、500年経ったいま、おそらくは、セントデルタよりも住みやすく、広大にして安全な土地は、いくらも復活しているはずなのだ。

 つまり――人々がここを旅立つための土台は、すでに完成しているのである。

っていうフレーズを書こう書こうと思ってたら、いつのまにやら佳境に入ってた。うそ。書いてる途中で↑の問題に気づきました。でへべろ。
で、探してみたけど、エピソードの中に入れられる隙間がありまてんでした。そんな訳で、設定資料にこの文章をブチこんどきます。探さないでください。


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ: