急いでおこなったほうが良いものがある。若ければ若いほど、早ければ早いほど良い。
自分の最も身近にいる者を、正しく評価することだ。批判でも崇拝でもなく、評価をすることだ。
身近にいる者とは、親だったり、教師だったり、親友と思い込んでいる者だったり、教祖だとか思っているもののことである。
これを正当に評価することは、自分の人生において、かなり重要である。その人は良くも悪くも、必ず自分の人生に影響を与えるからだ。
これが早くできる者は、少なくとも他人に振り回されることは少なくなる。
評価をした結果、そいつはクズだった、というのは、救いがある。悪いところが見えているのだから、その指図で悪事をおこないにくくなるからだ(行わなくなる、という意味ではない)。
問題なのは『素晴らしい人だ』と考えることである。完璧な人間などこの世にはない、という以前に、そもそも人間に善人は存在しない。悪というほど悪というのは、それほど多くもないが。
素晴らしいとか考える時点で、その人は他人の評価を放棄している。そんな人間が行き着くのは、自らか、もしくは周囲の不幸それのみである。
カルトの教祖を崇拝する者、飼い主のように振る舞う雇い主を尊敬すること、吠え散らす悪親を慕うこと、麻薬をすすめる先輩や夫、妻になびくこと……
心酔とは、自我を捨てた奴隷がもちいる心情である。